Q 医療法の改正により、医療に関する広告規制が強化されたと聞きましたが、どのように規制が強化されたのでしょうか。

A これまで広告規制の対象外であったホームページ等のウェブサイトについても、広告規制の対象となったため、ホームページ等のウェブサイトに虚偽広告等がある場合には、是正命令や罰則が課せられるようになりました。

 

1 医療に関する広告規制

医療は人の生命・身体に関わるサービスであり、また、医療は極めて専門性の高いサービスであるため、その広告は、改正前医療法6条の5第1項に定められた事項以外原則として禁止されていました。

一方、医療機関のホームページなどのウェブサイト(以下「ウェブサイト」といいます。)については、パソコン等を用いてURLを入力したり、検索サイトで検索したりするといった当該医療機関等の情報を得ようとする者の積極的行為を前提とする性質から、広告ではなく情報提供や広報として取り扱われ、医療に関する広告規制の対象とはされていませんでした。

しかし、インターネットが広く普及している状況において、医療機関等のウェブサイトを広告規制対象外とすることが、特に美容医療サービスに関して、消費者トラブルを増加させる要因となっていました。

 

2 医療法等の一部を改正する法律

そこで、平成29年度の医療法改正(第8次医療法改正)により、医療に関する広告規制が強化されました(改正医療法6条の5)。具体的には、これまで「広告」とはみなされていなかったウェブサイトについても、医療法上の「広告」に含めて規制の対象とされました。そのため、医療機関のウェブサイトにおいて、①内容が虚偽にわたる広告(虚偽広告)、②他の病院又は医療機関と比較して優良である旨の広告(比較広告)、③誇大な広告(誇大広告)、④客観的事実であることを証明することができない内容の広告、⑤公序良俗に反する内容の広告などがある場合には、是正命令や罰則(六月以下の懲役又は三十万円以下の罰金)が課されることになりました。この広告規制は、美容医療サービスに限らず医療機関全般が対象となっていますので、注意が必要です。

もっとも、患者が知りたい情報が得られなくなるという懸念等を踏まえ、医療を受ける者による医療に関する適切な選択が阻害されるおそれが少ない場合には、厚生労働省令で限定列挙規制の例外とすることを可能とする取扱いが追加されています(改正医療法6条の5第3項)。

 

以上のとおり、ウェブサイトが広告規制の対象とされましたので、各医療機関において自身のウェブサイトの内容を再確認することをお勧めします。また、平成29年8月24日より、「医業等に係るウェブサイトの監視体制強化事業」が開始され、厚生労働省からの委託業者による医療機関のウェブサイトの監視体制が強化されていますので、虚偽広告等に該当しないかどうかの確認作業や広告内容の修正作業を早期かつ適切に行うことがより重要となってきます。

(文責:弁護士 乙井秀式