Q 次の会社法改正の動きについて教えてください。

A 平成26年会社法改正では、企業統治に係る制度の在り方について附則が設けられたことから、法務大臣の諮問、会社法研究会(公益社団法人商事法務研究会)での議論等を踏まえて、平成29年4月から法制審議会 会社法制(企業統治等関係)部会が開催され、議論が進められています。

 

1 平成26年会社法改正(平成26年法律第90号。平成26年6月20日改正、平成27年5月1日施行)

平成26年改正では、監査等委員会設置会社の創設、社外取締役等の要件の厳格化、多重代表訴訟制度の創設などが行われました。

http://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00151.html

 もっとも、改正の過程で議論されていた社外取締役の義務化は見送られ、一定の監査役会設置会社について、「社外取締役を置くことが相当でない理由」を定時株主総会で説明しなければならないこととされるとともに(会社法第327条の2)、次のような附則が国会で設けられました。

 

(検討)

第二十五条 政府は、この法律の施行後二年を経過した場合において、社外取締役の選任状況その他の社会経済情勢の変化等を勘案し、企業統治に係る制度の在り方について検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて、社外取締役を置くことの義務付け等所要の措置を講ずるものとする。

 

2 法制審議会第178回(平成29年2月9日開催)

そこで上記附則を踏まえて、上記法制審議会で、「会社法制(企業統治等関係)部会」(新設)に付託して、審議されることとなりました。

http://www.moj.go.jp/shingi1/shingi03500028.html

 

法務大臣諮問第104号

「近年における社会経済情勢の変化等にかんがみ、株主総会に関する手続の合理化や、役員に適切なインセンティブを付与するための規律の整備、社債の管理の在り方の見直し、社外取締役を置くことの義務付けなど、企業統治等に関する規律の見直しの要否を検討の上、当該規律の見直しを要する場合にはその要綱を示されたい。」

http://www.moj.go.jp/content/001216452.pdf

 

3 公益社団法人商事法務研究会の会社法研究会(座長:神田秀樹学習院大学教授)

その後のコーポレートガバナンス・コードの適用開始(平成27年6月1日から)等の企業を取り巻く社会経済情勢の変化等を踏まえて、会社法における企業統治に関する課題につき、論点の整理や規律の在り方の検討等を行うことを目的として、会社法研究会が開催されました。その報告書、配布資料及び議事の要旨は下記URLをご覧ください。

議論・報告内容は、①株主総会資料の電子提供、②株主提案権の濫用的な行使の制限、③取締役会の決議事項、④取締役の報酬、⑤役員の責任、⑥社債、⑦責任追及等の訴え、⑧社外取締役など多岐に渡っています。

https://www.shojihomu.or.jp/kenkyuu/corporatelaw

 

4 法制審議会 会社法制(企業統治等関係)部会(部会長:神田秀樹学習院大学法科大学院教授)

そして平成29年4月26日に会社法制(企業統治等関係)部会第1回会議が開催され、以後、継続して審議がなされています。

http://www.moj.go.jp/shingi1/housei02_00297.html

 

5 今後について

なお、以上は解説時点(平成29年10月現在)の状況です。今後も会社法改正の動向を注視する必要があります。

(文責:弁護士 浦部明子